偽造、変造された遺言の効果
みなさんこんにちは!
名古屋もかなり暑くなり、35度を超える日が続いておりますので、熱中症等、お体にはお気を付けください。
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みなさんこんにちは!
名古屋もかなり暑くなり、35度を超える日が続いておりますので、熱中症等、お体にはお気を付けください。
さて、今回は「偽造、変造された遺言の効果」について、お話していこうと思います。
まず、偽造された遺言は、無効です。
そもそも、手書きの遺言は、必ず本人が署名する必要があり、他人が代わりに書くことはできません。
また、変造された遺言は、変造がなかったものとして扱われます。
そもそも変造とは、出来上がった遺言に追記などをし、内容等を付け加えることをいいます。
たとえば、
「遺言書 土地建物を長男に相続させる。 名古屋 太郎 ㊞」と名古屋太郎という人が全文を署名し、押印された遺言があったとします。
これに、他人が、日付として「令和7年1月7日」と追記したり、内容として「預貯金は次女に相続させる。」と追記したりすることが変造にあたります。
なお、偽造は、「名古屋太郎」という署名を他人が勝手に記載する行為であり、簡単にいうと、偽造は作者者を偽ること、変造は内容等を捏造することという違いがあります。
変造された遺言については、変造部分が無効となり、もともと作成された遺言の内容によって、遺言自体の有効、無効を判断します。
たとえば、さきほどの「遺言書 土地建物を長男に相続させる。 名古屋 太郎 ㊞」という内容の遺言であれば、日付がなければ遺言の効力が生じないため、無効になります。
他方、日付が記載され、「遺言書 土地建物を長男に相続させる。 令和7年1月10日 名古屋 太郎 ㊞」と記載されていた遺言に、「預貯金は次女に相続させる。」と追記された場合、もともとの遺言は有効であり、追記された「預貯金は次女に相続させる。」という部分のみ無効になります。
このように偽造された遺言に効力はなく、変造された遺言については、変造部分について効力がなくなります。
また、偽造、変造された遺言については、たとえば相続人が偽造、変造した場合、その相続人は相続権を失うことになる可能性があります。
さらに、相続権を失った親族は、たとえ他の有効な遺言等で遺産を受け取ることになったとしても、その権利さえもはく奪されます。
実際、裁判により、相続人が遺言を偽造したものと認められ、当該相続人は相続権を失い、さらに、有効な遺言により自身が本来相続できたはずの権利も相続できなくなった事例も存在します。
また、日付を相続人が追記(変造)した結果、相続権を失った事例も存在します。
このように、遺言の偽造、変造は、偽造、変造した相続人にとっても思いペナルティが課せられるものとなります。
また、他にも刑事罰になる可能性もありますので、ささいな部分であっても変造(追記)はしないほうが良いでしょう。
さて、次回は、「親族による生前の引き出しに関する争い方」についてお話していこうと思います。
それではまた!